クレジットカード・ローンの法律研究室



クレジット利用している顧客が特定継続的役務提供契約を中途解約したときの加盟店の対応

・クーリングオフ期間経過後の契約解除について
・加盟店の対応について


顧客はクーリングオフ期間が経過した後でも契約を解除することができるのですか?

特定商取引法では、特定継続的役務提供契約に関しては、中途解約できるという規定があります。

なので、顧客はクーリングオフ期間が経過した後でも、関連商品を含め、将来に向かってその契約を解除できます。 この場合、中途解約を禁止、制限する特約は認められていません。

また、中途解約をするときには、解約の理由は必要ありませんので、一方的な意思表示で解約できます。

そのような場合、加盟店はどのように対応するのですか?

このような場合、加盟店は速やかにクレジット会社に連絡し、顧客との継続的役務提供契約を解除します。

そして、中途契約に伴う違約金等の清算処理を行うとともに、クレジット会社に対し、クレジット契約の解約処理と立替金の清算処理を行います。

また、加盟店は、クレジット利用中の顧客から解約の申出があったら、まずはクレジット会社に連絡します。そして、その旨を連絡し、中途解約に応じなければなりません。

解約に際しては、違約金や損害賠償金を受け取ることはできますが、以下のような上限が法律で規定されています。

契約の解除が役務提供開始前のケース(契約締結に通常かかる費用の上限)
・エステティックサロン・・・2万円
・語学教室・・・1万5千円
・学習塾・・・1万1千円
・家庭教師派遣・・・2万円
・パソコン教室・・・1万5千円
・結婚相手紹介サービス・・・3万円

契約の解除が役務提供開始後のケース
・エステティックサロン・・・2万円か契約残額の10%のどちらか低い額
・語学教室・・・5万円か契約残額の10%のどちらか低い額
・学習塾・・・2万円か1か月分の授業料のどちらか低い額
・家庭教師派遣・・・5万円か1か月分の授業料相当額のどちらか低い額
・パソコン教室・・・5万円か契約残額の20%のどちらか低い額
・結婚相手紹介サービス・・・2万円か契約残額の20%のどちらか低い額

なお、これらの違約金や損害賠償金の額については、契約書面に記載することが義務付けられています。

以上のように、特定継続的役務提供契約は中途解約によって解除されるのですが、クレジット契約はそれとは別個の契約なので、当然には解除になりません。

では、どうなるのでしょうか?

クレジット会社は、顧客から中途解約した旨の申出を受けたときは、まず顧客に対する請求を一時停止する措置をとります。

そして、顧客と加盟店との間で合意ができた後、加盟店契約に従って、そのクレジット契約を解約処理し、立替金の清算処理を行います。

より具体的には、現在のクレジット契約をキャンセル処理して、加盟店から立替金の返還を受けた後、既払金等があれば顧客と加盟店との間の「中途解約清算合意書」に基づいて、顧客や加盟店に返還する方法があります。

一方、顧客と加盟店がクレジット会社に対して、残金を一括して支払い、クレジット契約を清算する方法もあります。


契約書受入後の立替払対象金額の訂正
立替払契約と割賦販売法との関係
立替払契約の法的性質
クレジット利用している顧客が特定継続的役務提供契約を中途解約したときの加盟店の対応
クーリングオフが適用されない場合
契約書受入前の立替払対象金額の訂正
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個品割賦購入あっせんの際、販売業者が購入者に示さなければならないもの
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