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破産手続開始の申立て直前の財産移転

・破産手続開始の申立ての直前に破産者の財産を移転させた場合について
・債権者の対応について


破産手続開始の申立ての直前に破産者の財産を移転させた場合について

さて、破産手続開始の申立ての直前に破産者の財産を移転させた場合はどうなるのでしょうか?

まず、破産者の破産手続開始の申立て前の法律行為については、一定の要件の下に破産管財人が破産財団のためにその行為を否認することができます。

そもそも破産手続が開始されると、債務者の保有していた財産は破産財団の財産になりますので、破産管財人の管理・処分権限に服することになります。

わかりやすく言うと、破産手続開始後は破産者からの財産の取得はできなくなるので、仮に取得した場合には無効になるということです。

けれども、破産手続の直前までなら財産を移転させることができるとしてこれを無制限に認めてしまうと、直前に財産を隠したり、特定の利害関係のある債権者だけに財産を引き渡すことができてしまいます。

これでは、適性かつ公平な清算手続きが行われない可能性がでてきます。

そこで、こういった弊害をなくすために否認権を破産管財人に認め、一定の要件の下に債務者の財産移転前の状態にさかのぼらせることにしたのです。

債権者の対応について

では、債権者としてはどのように対応することになるのでしょうか?

債権者としては、移転した理由や移転の時期、消滅した債権等の額と財産額の比較、破産者の害意や財産の移転を受けた人の認識などを調査すると思われます。

されに、それが詐害行為や偏頗行為などの否認できるケースに該当するようであれば、それを破産管財人に通知し、その財産を破産財団のために否認してもらい、移転された先から取り戻させるということが考えられます。


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