債務者が一部の債権者の名前を債権者名簿に記載しなかった場合とは…
債務者が債権者であると知っているのにもかかわらず、あえて債権者名簿に記載しない場合としては、友人、知人等に対する負債を、破産手続以外で支払うことを約束した場合などが考えられます。
免責許可の決定の効力について
では、債務者が一部の債権者の名前を債権者名簿に記載しなかった場合、免責許可の決定の効力はどうなるのでしょうか?
この場合は、破産債権者が、破産手続が進んでいることを知らなかったときは免責の効果は及びませんので、債権者から請求があれば支払わなければならないということになります。
ここで債権者名簿についてですが、
破産手続を行うときと、免責許可の申立てを行うときに、債権者名簿は作成されます。
これは、破産手続の申立ての際には、債権者一覧表を作成して、これを破産裁判所に提出することになっていますし、免責許可の申立ての際にも、債権者名簿を提出することになっているからです。
では、破産者が債権者であると知っているのに、あえて債権者名簿に記載しなかった場合にはどうなるのでしょうか?
これについては、破産手続に参加したくてもできなかった債権者を保護する必要がありますので非免責債権になります。
ただし、通常は非免責債権になることはないものと考えられます。
なぜなら、官報の破産手続開始の決定をみれば、仮に債権者一覧表や債権者名簿に記載がなくても債権届出はできるからです。
しかしながら、債務者の姓が変更されていたり、住所が移転していて破産者が特定できなかったなどの事情があって、広告を知ることができなかった場合などは、非免責債権として認められるものと思われます。 |