カードの盗難・紛失のリスクは誰が負担すべき?
信販会社というのは、クレジットカードを普及させることによって大きな利益を得ています。
なので、「利益存するところに損失も帰する」という考え方からすると、カードの盗難・紛失によるリスクは、カードシステムにより大きな利益を得ている信販会社こそが、原則として負担すべきということもできます。
ちなみに、カード発祥の地である米国では、こうした原則が法律によって明らかにされています。
ただし、日本では、まだこうした考え方が法律に規定されてはいません。
会員が信販会社に対する支払いを拒絶することができる場合について
信販会社と販売会社との関係というのが、加盟店契約を通じ、継続的で密接な関係であることを考えますと、信販会社は販売会社に対して、不正使用防止のための何らかの指導・教育を行うこともできるはずです。
さらに、販売会社には加盟店規約によって、カード使用者と名義人の同一性を確認する義務があります。
よって、所定の届出によって、消費者が免責されないケースであっても、例えば署名の確認について販売会社に何らかの落ち度があったケースのように、カードの不正使用を見逃したことについて責任を問うことができる場合には、会員は信販会社に対する支払いを拒絶することができると解釈することができます。
不正にカードを使用した者への損害賠償請求について
信販会社や販売会社に落ち度がなく、名義人が不正使用について責任を負わなければならない場合であっても、盗んだカードや、名義人が紛失したカードを不正に使用した者に対しては、損害賠償請求をすることができます。 |